2005年09月22日

皆の励まし

前回の続きです。

2002年11月

この年最後の公式戦。同点で迎えた最終回の守り。
2死2塁のピンチの場面、セカンドへの牽制が逸れて、
カバーのゲンジがまさかのトンネル。

チームはサヨナラ負けを喫し、初戦で敗退した。

凡ミスでの敗戦。しかも自分の子が戦犯となり、こちらも穴があったら入りたい心境。
申し訳ない気持ちも一杯だったが、意外にも周りの父兄達は
こちらに冷ややかな視線はなく、逆にねぎらいの言葉をかけていただいた。

まだエラーの光景が染み付いていたから、こちらもどう対応してよいのか?
随分と戸惑ったが、この時の皆のフォローには助けられた思いがする。

試合後、球場外で監督と選手が反省会。
ゲンジは口を真一文字にしたまま神妙な顔つき。
打撃のほうも結果が伴わず、守備のエラーも重なって、当然だが責任を感じている様子。

監督はニコニコ顔で口を開いた。
『今年最後の試合、皆はよく頑張った! ナイスゲームだ!』

この一言で、何人かの選手が堰きが切れたように泣きはじめた。
あちこちでススリ泣きの声が聞こえる。
周囲で見守っていたお母さんの一部も貰い泣き。

ゲンジは一点を見つめたまま、涙を流さない。

監督が一通り話しをした後、必然的に最終回の守りの事に話がいく。
2死走者無しからのサヨナラ負け。
選手達が少しづつ、重い口を開き始めた。

『僕のトンネルのせいです。すみません・・』
とゲンジが声を押し殺すようにつぶやいた。

すると皆が、ゲンジをかばいはじめる言葉を投げかけ始めた。

『ゲンジは悪くないです。僕がデッドボールを出したからいけないんです。』
ピッチャーの子がつぶやく。

『いや、盗塁を殺せなかった俺がダメなんだ。』
キャッチャーの子が投手をかばう。

『ゲンジ、ゴメン! 俺がベースに入るのが遅れたからアカンのや!』
とショートの子が大きく叫んだ。

これを聞いて不覚にもグッとくるものがあり、ドラ夫は足早にその場を離れた。
普通ならゲンジが糾弾されても、何らおかしくはない。
しかしチームメイトは、それをしなかった。

敗戦の責任を一手に背負うつもりだったのに、選手達の優しい気遣いには、
本当に救われた思いでした。

こうなったら、この日はゲンジを責めるのは止めよう。
そして長いシーズンが終わった事、この1年よく頑張った事。全てを褒めてやろう。

解散となり、クルマに乗り込んだゲンジ。
こちらから叱責されると思い込んでいるのか、表情が険しい。

『お疲れさん! この1年、よく頑張ったな^^』
こうして声をかけると、それまで我慢していた糸が切れたのか、
ゲンジはこの日初めて、涙を眼に一杯浮かべていた。

続きは後日。
この記事へのコメント
ドラ夫さんの最後の一言で私もウルウルしました。
野球の神様は、這い上がってきそうな子供にだけつらい試練を与えるのですかね。
いろんな試練を乗り越え、回転すし17皿も食べるようになるんですね^^
Posted by metoo at 2005年09月23日 01:04
いや〜、泣けるな〜。
いい"仲間"に囲まれてたんですね〜。
子供たちから自然とでてきた『ゲンジ、ゴメン!』に子供たちの自覚を感じました。
うちのチームの子供たちにこんなこと言えるのか・・・
言えるように指導していかなきゃ!

Posted by さとる at 2005年09月23日 07:46
少年野球の上達講座様

今、有名ブログランキングに登録すると、『ランキング上位に行く秘訣』『ブログで
稼ぐ方法』が書かれたe-bookを差し上げています。また、ランキング上位の方は、
賞金最高10万円も当たります!登録者急増中で、アクセスアップも充分望めます。

ぜひ、ご検討ください。ご不要でしたら、削除下さいませ。失礼致しました。



有名ブログ☆ランキング 代表小泉
http://www.1blogrank.com/
Posted by 有名ブログランキング at 2005年09月23日 09:25
いい話ですね。エラーは確かによくないプレーですが、叱るのは時と場合によりますね。勿論、叱る事が悪いとは言いませんが、前後の流れというか、臨機応変に対処する時も必要なんですね。
Posted by パームボール at 2005年09月23日 10:05
これぞチームワークという感じですね。
こういうのも有りだと思います。馴れ合いはダメでしょうが、この時の状況なら、OKでは?
チームによっては、晒しものにする所もあるでしょうが、多感な年頃ですから こうしたフォローのほうが良い結果になるんじゃないでしょうか。
Posted by Xゲーム at 2005年09月23日 17:55
metooさん こんばんは。

どんな選手でも、それなりの試練の一つや二つは経験しますよね^^
うちもこの後に、まだ大きな山がありました。
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 00:02
さとるさん こんばんは。

こうしたフォローが、必ずしも良い面ばかりではないかもしれませんが、この時は私も色々と考えさせられましたね。
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 00:05
パームボールさん こんばんは。

同じ失敗でも、高校生と小学生では違うと思うんですよ。
小学生なりの対応が、あってもいいかな? と思ったりするんですが甘いですかね?^^
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 00:08
Xゲームさん こんばんは。

自分の子のミスですから、親の立場からすると、怒鳴りたい気持ちで一杯でした(当初は)
でもこれが他の選手だったら? 怒鳴る事など考えずに、フォローするほうに走るでしょうね。
この辺りの対応は、意外に難しいというか、重要な事かもしれません。
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 00:12
事実というのは、ドラマの数倍感動がありますね。私も貰い泣きです。もし、その場に居たらかなりヤバイ状況になったと思います。
チームワーク。一言で言うと簡単な言葉ですが、こういう苦難を乗り越えて言葉の意味を理解するのでしょうね。
ほんと、感動しました。
Posted by 星 十徹 at 2005年09月24日 09:50
やっぱり野球っていいですね。仲間っていいですね。

野球に限ったことではないでしょうが、勝っただけでは得られないもの、敗戦からしか得られないものの方が大切なような気がします。しかも、それでも尚、勝利を追い求めるからこそ、“敗戦で得たもの”が大きくなるんだと思います。
Posted by 少年野球コーチ at 2005年09月24日 10:36
私も星さん同様、その場にいたら間違いなくウルウルしてたでしょう。
こういう経験があるからゲンジ君が成長していったんでしょうね。
辛い経験を乗り越えたゲンジ君の活躍を読むのを心待ちにしてます。
Posted by かに at 2005年09月24日 10:43
いやー泣けました。
子供たちは野球を通して本当に多くの大事な事を学んでいるんですよね。また、そこまで相手を思いやる気持ちを育てられたコーチの方々も本当に素晴しいですね。ゲンジ君のチームの子供たちは幸せです。私も是非こんなことを言えるチームをみんなでつくれるよう頑張ります!
Posted by ライ9 at 2005年09月24日 12:31
 僕は、今四年生で野球をやっています。お父さんに、すすめられてこれよんでみました。みんな、えらいですね。ゲンジをかばってくれて。僕も、こんなチームになるようにがんばります!  明日の試合は、がんばるぞ!
Posted by 今岡イエイ! at 2005年09月24日 21:21
十徹さん こんばんは。

この時は息子が4年生、他は5年生だったというのもあるかもしれません。 下級生だから、かばってくれたんでしょうか?
今から振り返ると、良いメンバーに恵まれていましたね。
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 21:38
少年野球コーチさん こんばんは。

そうですね。負けて得る物も大事だと思います。
でも最近は、ただ負けるだけで得る物の無い負け方ばかりです(^^;
これじゃダメですね。中学なんですから、もう少ししっかりしてもらいたいですよ^^
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 21:42
かにさん こんばんは。

この時の5年生は結構、自分に甘くて他人に厳しい。という選手が多かったんです。ですから私もある程度の覚悟はしていました。
でも結果は逆。子供心というのは、大人が考えているほど単純ではないのですね。
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 21:47
ライ9さん こんばんは。

息子が中学に入る時、硬式と軟式の選択に悩みました。結果、軟式を選んだのですが、その決め手の遠因には、この時の事があったのは間違いありません。
「仲間」とやる野球を選んだわけです^^
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 21:52
今岡イエイ!君 こんばんは。コメントありがとう^^
チームの仲間とは、仲良く・楽しく野球をしてくださいね^^
明日の試合、頑張ってください! ホームラン打てるといいね(^^)v
Posted by ドラ夫 at 2005年09月24日 21:55
今日の試合、雨で中止でした。ざんねんです。
Posted by 今岡イエイ! at 2005年09月25日 07:35
これこそがチームワークですよね。
もう、読んでいる途中で涙・・・でした。

Posted by ハッシー at 2005年09月26日 10:04
今岡イエイ!君 こんにちは。

試合が中止になって残念でしたね。次の試合では気持ちを集中して、良いプレーが出来るよう頑張ってね^^
Posted by ドラ夫 at 2005年09月26日 17:46
ハッシーさん ありがとうございます。

子供の野球でも、多くの感動を経験してきました。
良いにつけ悪いにつけ、大袈裟に言えば人生の良き勉強にもなりますよ^^
Posted by ドラ夫 at 2005年09月26日 17:49
感動しました!
散々なる野球の勧めにも無関心だった我が息子が・・
なんと3週間前に友人の影響で少年野球に入部!
野球親父として、とても嬉しかったんです!
4年生と出遅れた為、毎日のティーバッティング、更なる上達法を探し、たどり着いたのがここでした。
ケンジ君の様に成ればと、只今夢を見ている次第です。


Posted by 野球親父 at 2005年10月02日 21:53
野球親父さん はじめまして。コメントありがとうございます。

子供というのは、ひょんな事から何かに熱中する事がありますよね^^
4年生でしたら、まだ出遅れではないですよ。中学に入ってから野球を目指す子もいますから。
これからもよろしくお願いします。
Posted by ドラ夫 at 2005年10月03日 20:51
感動しました。
実は私この「我が子レギュラー化計画」を毎回プリントアウトしてファイルしております。
我が家のレギュラーへの道は、まったく先が見えない状態です・・・。
Posted by まぐすね at 2005年10月04日 16:48
まぐすねさん はじめまして。コメントありがとうございます。

プリントしてファイルなんて、光栄というか恐縮です(^^;
でも今から振り返ってみますと、うちも最初は親の私が主導でしたが、いつの間にやら息子の習慣に根付いております。
ただ息子は研究心が少ないので、未だに私がアレコレとメニューを考えている所です^^

今後もよろしくお願いします。
Posted by ドラ夫 at 2005年10月04日 22:11
読みながら不覚にも涙を流してしまいました。
ミーティング現場にいても泣いてしまっただろうと思います。

息子を含め、野球少年には競争相手ではあるけれども、野球を通じて仲間(相手)を思いやれる人間に育って欲しいと切に願います。
野球の上手い下手は二の次、という心境です。
Posted by ぶきような親父 at 2006年07月17日 23:34
ぶきような親父さん ありがとうございます。

私が息子の野球に力を注いでいるのは、正に「人間形成」のためです。
野球を通じて様々な事を学ばせたい。この気持ちが強いですね。

その中には当然、仲間を思いやる気持ちも含まれています。
「傷を舐めあう」も困りますが、全てがそうではないと思うんですよ。

チームが強くても、子供達の態度や言動がダメならば、それは意味をなさないような気がします。

Posted by ドラ夫 at 2006年07月18日 00:37
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/7209003

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。