2006年03月13日

2006年最初の試合(後編・鮮烈の左打席デビュー)

昨日のエントリーの続きです。

好投手の前に手も足も出ない我がチーム。
悪天候で5回で打ち切り。その最終回も1アウト。
打順は5番のゲンジ。

ここまでヒットはおろか、一人のランナーも出ていない。
屈辱のパーフェクトゲームを喫するのか?

なんとかしてほしい・・ そう思うのがやっと。
だが現状は厳しい。相手投手の巧み且つ豪快な投球はレベルが違う。

打席に向うゲンジに思わず檄を飛ばした私。
ゲンジは私のほうは見ず、ベンチに戻ってバットを変えた。

83cm・660gのカウンターバランスのバットだ。
このバット、昨年の新チーム結成以降は一度も使っていない。
敢えてそのバットを選んだのは、ゲンジなりに何か策があるのか?

バットの重心がグリップ寄りにあるカウンターバランス。
飛距離は望めないが、振り抜き易さとバットコントロールには勝る。
ちなみにこのバット、直径は60ミリ。かなり細い。

そして次の瞬間、自軍のベンチは驚きの声があがった。
ゲンジは静かに左打席に入った。

ここまで頑なに左打席を拒否してきたゲンジが、
今年最初の試合で早くも封印を解いた。 
「なんとかせい!」 この言葉の答えがこれか?

『おい大丈夫か?・・・』 と監督。心配そうな目つきでこちらを見る。

『大丈夫です。まぁ見てください。そうですよね? ドラ夫さん?』
とヘッドコーチが私に目配せ。

そう。ゲンジの左打ちを強力に推してくれたのは、このヘッドコーチだった。↓
http://syounenyakyu20.seesaa.net/article/12222492.html

あの時は右打ちへの強烈な拘りがあった。
今でも多分それは同じだろう。ただ状況が違うだけだ。

相手のピッチングはスリークォーターからの多彩な攻め。
ストレートは背中越しから飛んできて、スライダーは外へ逃げる。
そこへブレーキ抜群のカーブが混ざってくるから、右バッターは結構キツイ。

ゲンジもそう思ったのであろう。球筋が見極め易い左を選択した。

相手はそんな事はお構いなし。自信満々で第1球。
球種はカーブ。これは低めに外れてワンボール。
続く2球目はまたしてもカーブ。これを空振り。

3球目はウエスト気味のストレートでボール。
4球目もストレート。低め一杯を見逃しストライク。

『ゲンジよ、スライダーを待っているのか?』 心で呟く私。
そのスライダー、この打席ではまだ投げてこない。
最初の打席も投げてこなかった。何故かゲンジにはスライダーを使わない。

他の選手はこのスライダーに腰が引けていた。
いつか投げてくるか? 裏をかかれたら諦めるしかない。

5球目はストレートをバックネットへファール。
カウントは依然 2エンド2。

そして6球目。投げた瞬間は判らなかったが、後で聞いたらスライダーとの事。
それをゲンジはきっちり捕えた!

ライト前へ痛烈なヒット! 当りが良すぎてあわやライトゴロか?
と思われましたが、ぎりぎりセーフ。
ついに初ヒットが生まれました。

これにはベンチもやんやの歓声。ゲンジも塁上でニッコリ笑顔。
これは相当に珍しい光景。いつもはヒットでもニコリともしないが・・

試合は後が続かず無得点で終了。0対0の引き分けになりました。

帰りのバスではゲンジの左に話題が集中。ヘッドコーチも喜んでいました。
ただゲンジの気持ちは?・・

右で思うように打てなかったのがやはり悔しい様子。
まぁ仕方ない。相手が一枚も二枚も上だっただけ。
世の中は広いという事が判っただけでも、いい勉強になった。

このヒットでゲンジの考えがどう変化するか?
状況によっては今回のようなパターンか、
それとも今回はあくまでも非常手段だったのか?

また本人の気持ちを確かめてみたいと思います。

とにかく色んな意味で収穫のあった試合でした。
不安だった守備も及第点。今月下旬の遠征第2弾も楽しみです。



この記事へのコメント
かにさん、お見事!
ドラ夫さん、ビール券500円を1枚
かにさんに郵送してあげてください!

サイドハンドをどうやって打つか?
そう聞かれたら、これからは右対左って答えますよ!
ゲンジ君、勉強させて頂きましたm(_)m
Posted by metoo at 2006年03月14日 01:23
左打席かっ! 思い出すの忘れてました。
この場面で封印していた左、そしてバットコントロール重視のカウンターバランスとは、恐れ入りました。ムキになって我を見失う子もいると思いますが、さすが冷静沈着なゲンジ君。 塁上で見せた笑顔は輝いていたでしょうね。
Posted by 始動者 at 2006年03月14日 01:28
ゲンジくん,「かっこい〜!」
いや,「渋いっ!」かな。

いずれにしても,自分で状況判断をして選択したその結果がヒット。うれしかったんでしょうね。
と同時に,帰りの車中では悔しさも見せる。そんな姿をみてドラ夫さんもゲンジくんの成長を感じたのではないですか?

それにしても,幸先のいいスタートでしたね。おめでとうございます!
Posted by K太父 at 2006年03月14日 02:23
大胆かつ細心とはこういうことを言うですね。
このあと右で通すのか、左、あるいはスイッチヒッターに変えるのか、私も興味津々です。
Posted by Skyboys広報 at 2006年03月14日 07:18
ドラ夫さんのお子さんたちは、自分の意志をしっかりもっていてすばらしいです。劣勢な場面で左打ちをして結果を出すゲンジくん。受験で志望校を一本にしぼる娘さん。
「みんながやるならオレも」「誰々に言われたから私も」みたいな子が多い昨今、感心してしまいます。
‥ドラ夫さんのお子さんたち‥ホントに中学生?
Posted by ゆうちろ at 2006年03月14日 08:47
ドラ夫さん、こんにちは!!
今までのいきさつはよく知らないのですが、ゲンジ君かっこいいですねぇ〜。それと中学生ともなると、もうこのようなピッチャーとの駆け引きがあるのですね!!しびれました!!早くうちの息子も大きくなって、お父ちゃんをしびれさせてほしい!!!(出来るのかなぁ。。。。。。??)
Posted by リナケイパパ at 2006年03月14日 09:00
前編・後編に分けたことを認めます^o^/

恐れ入りました!
この緊迫した場面でバットを選びなおす冷静さ。
試合初での「左」を選択できる度胸。
この時のゲンジくんの"心"を覗いて見たいです。
Posted by さとる at 2006年03月14日 09:21
 いやいや…ゲンジ君、お見事!
ドラ夫さんも相変わらず魅せますな…。

 あと何年か経って、我が息子が
今のゲンジ君と同い年になった時、
果たしてヤツは
このような素晴らしい打撃をやってくれるのか?!
 と、思うと…落ち込みますな(^^ゞ。
Posted by でぃあ at 2006年03月14日 09:50
ゲンジ君は何度もドラマチックな場面を演出するアクターなのですね。それって、持って生まれた運命を背負っているのだと思います。
絶対日本中を熱狂させる様な大きなドラマを演じてくれるものと確信しています。
私が言うのですから間違いないです。
Posted by 星 十徹 at 2006年03月14日 11:00
いやあ、恐れ入りました。
ゲンジ君、センスを感じますね。
こういうセンスを持ち合わせている子は伸びますよ。前打席の経験を生かして次打席で調整対応してくる。これはなかなか教えられないものですから。
同じような対戦で先日の練習試合で凡打連続に終わった息子に爪の垢でも飲ませたい。。。
「お前、馬鹿か。無策で打てる相手じゃないだろう。もっと1球1球を大切に考えろ!」と思わず愚痴ったのは言うまでもありません(苦笑)
Posted by touch at 2006年03月14日 11:28
おぉぉぉ!!

希望を書いただけだったのにまさかビンゴしてしまうとは・・・。ゲンジ君は素晴らしい演出家だなぁ。いや、人を惹き付ける魅力があるんでしょうね。スターの素質アリですよ!

左のサイドハンドで、外への速球やスライダーを投げられたら右バッターは苦労するだろうから左だなとはすぐに思いつきましたが、バットを変える所までは思い至りませんでしたよ。

さすがゲンジ君、冷静ですね。

そしてここまでのバッターに育て上げたドラ夫さんの力量!まーぼもドラ夫塾に入れて欲しいくらいですよ。
Posted by かに at 2006年03月14日 11:54
すっげーー!
まるで小説かマンガを読んでるようでした。
中学生でそこまで!!!!
凄いですね。
今後ゲンジくんが右か左か???その辺りの考えが気になります。
Posted by Shin at 2006年03月14日 14:04
ゲンジ君、素晴らしい。もう自分で考えてトライする勇気を持ち合わせているんですね。ドラ夫さんもきっと嬉しい反面、ゲンジ君の巣立ちも近いことを感じていらっしゃるのでは。
Posted by Fastballer at 2006年03月14日 14:31
冷静というか、大胆というか。読んでいて武者震いがしました!
このヒットは色んな意味でゲンジ君の今後を左右するのでは?
いやはや、凄い事です。
Posted by シャドウP at 2006年03月14日 15:11
ゲンジ君と息子、同じ年なのに・・・この違い!
うちの息子は、名前だけはカッコいい〜ですが、ゲンジ君みたいにセンスはないですぅ・・・。
「世の中は広い」本当にそう思いますよ。
上には上がいるもんだと痛感します。

先週から仕事が忙しく、ここにお邪魔することができなくてストレスが溜まってました。
Posted by てんてん at 2006年03月14日 15:14
お見事!

拍手喝采!!

Posted by baseball-oyaji at 2006年03月14日 16:47
かっかこいい!!仕事人ですね。
Posted by at 2006年03月14日 21:51
metooさん こんばんは。

ビール券ですか^^

右投手対左打ち。スイッチヒッターの発想はここですね。
ボールがよく見える。これが最大の利点でしょうか? 良い結果が出て良かったです。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:25
始動者さん こんばんは。

私も忘れていたんですよ^^ 
最初はそんな考えなんて、思いもつきませんでした。

塁上での笑顔、本当に珍しいです。
よほど嬉しかったんでしょうね。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:28
K太父さん こんばんは。

渋いというか、まぁマグレですよ^^
ただ右で押さえ込まれたのは、今でも気に喰わないみたいです。

浮かれてばかりもいられない感じですかね。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:31
Skyboys広報さん こんばんは。

本人はどうやら右でこのまま続ける様子です。
私もそれに賛成の立場です。 
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:33
ゆうちろさん こんばんは。

なんと言うか、意識して育て訳じゃなく、二人共たまたまこんな性格になったようです^^
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:36
リナケイパパさん こんばんは。

中学野球は「大人の野球」 への入り口でしょうか。
中にはとんでもない選手がいるものですよ^^
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:37
さとるさん こんばんは。

2部構成へのご理解、ありがとうございます。
詳細に伝えようとすると、どうしても文字数が増えてしまいます(^^;
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:39
でぃあさん こんばんは。

魅せているつもりはないのですが・・^^

息子さんの野球人生は始まったばかり。
これからが期待ですね!
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:44
十徹さん こんばんは。

あまり持ち上げないでください^^
まだまだ至らない所だらけですので、一つづつ克服させていきたいです。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:47
touchさん こんばんは。

自分で何か試みてみよう。 そういう姿勢が見えただけでも満足でした。
仮にこの打席が三振でも、私は評価したと思いますね。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:51
かにさん こんばんは。

予想的中、おめでとうございます^^
いやぁ、ドンピシャでしたね!

自分的には、こうして左を予想してもらえたのは、なんとなくですが嬉しかったです^^

Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:55
Shinさん こんばんは。

中学生でも技術的に優れた投手がいるもんです。
今回はそれが選手に解ったので、彼らがどう今後のために行動するか? ここが見ものですね。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 01:58
Fastballerさん こんばんは。

巣立ち。確かに近いづいてますね。
技術面では教える事は減ってきましたが、メンタル面ではまだまだ子供です^^
これが少しづつ変わってくるんでしょうね。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 02:00
シャドウPさん こんばんは。

そのように申していただくと、記事を書いた冥利に尽きます。ありがとうございます^^
今後は・・ 右の拘りはまだ強いみたいです。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 02:02
てんてんさん こんばんは。

お仕事が忙しいのですか。やはり年度末だからですかね?
最近どうしたのかな? って思っていたんですよ^^

上には上。 これから幾度もこうした経験をしてゆくのだと思います。
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 02:05
baseball-oyajiさん こんばんは。

ヒットの直後はベンチ内も拍手だらけでした^^
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 02:08
21:51にコメントをくれたお方、お名前がございません^^
よろしければ再度お知らせください。

>仕事人

まだそんなレベルには程遠いと思います^^
Posted by ドラ夫 at 2006年03月15日 02:11
少年野球と中学野球の違いをひしひしと感じます。
ゲンジ君のセンスは素晴らしいんですね。
ドラ夫様の指導振り、もう一度読み直さねば!
Posted by 満木 月風 at 2006年03月16日 13:36
満木先生 ありがとうございます。

中学になると、全ての分野で学童とは違ってきます。
身体も大きくなりますし、正に「大人の野球」ですよ^^
Posted by ドラ夫 at 2006年03月17日 01:28
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