2007年02月16日

ゲンジコール

我が子レギュラー化計画・5年生、投手挑戦編  最終回



前回の続きです。

2003年10月

5年生最後の公式戦。打線爆発で大量リード。
先発投手も3塁を踏ませない好投を見せ、最後の守り。

ここでマウンドには、我が子ゲンジが上りました・・
思いがけない起用に私も驚きました。

緊迫した場面なら、この登板は無かったと思う。
ずっと投手起用から外されていたゲンジ。
5年生最後の公式戦の最終イニング。

監督の温情采配なのか? 
思えば前年のこの時期に投手候補として構想に上がり、
シーズン当初は2本柱の一角を担っていた。

試行錯誤の末に『すり足投法』にチャレンジ。
その緒戦で2安打完封の結果を出すも、
本人の投手への拘りの姿勢。
加えてフォームに対する監督の育成方針の食い違い。

色んな要素が絡み合い、投手失格の烙印を押されていたゲンジ。
そのゲンジが今 マウンドに立っている。

『自分の好きな投げ方でいってみろ!』 監督が激励の言葉。
『点差はある。伸び伸びといけ!』 Kコーチの檄。

投球練習をするゲンジ。にこやかな表情で感触を確かめている。バックの選手達もしきりに声を掛けてくれた。

『楽に楽に^^』 『打たせようぜ!^^』
『久しぶりだなゲンジ 投げられるか?^^』
『ガッチリ守るぜ! 思い切りいけ!』

余裕の展開とはいえ、この励ましにはゲンジも救われたのでは?
規定の投球数が終わると、主将のE君がマウンドへ。
そして内野陣も全員集まった。

皆が笑顔でゲンジに話し掛けている。
ゲンジも笑って頷いていた。サードの選手が大きな声で言った。
『ゲンジ! お前がここに来るのを待っていたぜ^^』

そして全員が肩を組み、『絶対 勝つぞ〜!!』と雄叫びをあげた

主審がプレイの声を掛ける。
すると自軍の控え選手達が総出でゲンジコール・・

『ゲンジ ゲンジ ゲンジ ♪』

そして応援席の父兄までが、これに倣ってコールを後押し。
『ゲンジ ゲンジ ゲンジ♪』

『さぁこーい!』 『バッチこーい!』
守るナインも全員が大声で叫んでいる。

私は・・ 溢れ出る涙を隠す事はしなかった。
グランドに響き渡る『ゲンジコール』
励まし続けるナイン達。

私はなんて幸せ者なんだろう・・

『ゲンジ君、とうとうあそこに戻ってきたんだね・・』
懇意にしていたお母さんグループが私に声をかけてくれた・・
皆々、目に薄っすらと涙を浮かべてくれていた。

私は押し殺すような声で言った。
『みんな見てくれ。 あそこに立っているのは・・ 紛れもなく俺の息子だ・・』

ここまでの苦労の軌跡がグッと頭を駆け巡った。
『ゲンジ! 思い切っていけ!!!』私は大声で叫んだ。

サインを覗くゲンジ。こっくりと頷いてモーションに入る。
振りかぶり、白鳥が飛び立つような綺麗なフォーム・・

左足がすらりと地面をなぞり、すり足でボールは放たれた・・

ストライク〜!!

主審のコールがグランドに響いた・・




62回に渡ってお送りしてまいりました、
「我が子レギュラー化計画・5年生、投手挑戦編 」
今回で最終回となります。

夏場からずっと投手候補から外れ、結果的に投手挑戦は失敗に終わりました。

指導方法、理論の食い違い。適正、本人の意志。素質。
色んな要素が絡み合っての結果でしょう。

しかし目標に向かって努力を重ねた事は、本人にも貴重な財産になったと思う。

投手といえば野球の花形。そのポジションにチャレンジ出来ただけでも善かったのかもしれない。

そしてこの時の経験は、以降のゲンジのキャリアにおいても、
重要な役割を果たしたと言える。

これ以降も、ゲンジの意志で投球練習は自宅で続けてきました。
登板のチャンスが少なくても、本人は投手復活を目指していたのかもしれません。

その甲斐があったのか、中学では昨秋に先発完投も遂げた。
敗戦投手ではありましたが、内容は及第点。
地道な努力が実った形です。

中学では本職がキャッチャーなので、投手はあまり機会は無いかもしれない。
でも・・ それでも本人は自主錬でシャドーを取り入れています。

投手は簡単に極めるのは難しいポジションです。
だからこそ、狙う価値もある。

投手挑戦を願う皆様に、このカテゴリが少しでも参考になれば幸いです。

さて来週からはいよいよ6年生編がスタートします。
チーム内の打順争い。保護者の疑問からチーム批判・・
そして・・ 『ドラ夫コーチ』誕生もこの時でした。

ゲンジは主砲として最後は打撃部門独占の大活躍を遂げますが、
チームの成績はどん底・・ 
様々な背景を基に、6年生のゲンジを描いてまいります。

「我が子レギュラー化計画・6年生、4番打者への道」
期待してください^^



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