前回の続きです。
2003年7月
試合終了後、監督のほうから私のところへ話があった。
こちらの予想通り、ゲンジのピッチャーとしての今後についてだった。
良い機会なので、私もそれまで抱いていた考えや構想を話す事に。
だが監督から発せられた言葉は、私にとって厳しいものとなる。
監督: 『ここまで色々とありましたが、ゲンジはしばらくピッチャーから外そうと思います。』
私: 『起用方法は監督がお決めになる事。それには従いますが、何故ピッチャーから外れるのか? 今後に活かしたいので理由を聞かせてもらえますか?』
監督: 『・・・・・』
私: 『私が会得させた【すり足投法】が原因でしょうか?・・』
監督: 『それもありますが、それだけではありません。』
私: 『?』
監督: 『まずフォーム改造についてですが、今をしのぐならあの投げ方でもいいかもしれません。けれど先々の事を考えると、あの投法はゲンジ本人のためにならないような気がします。』
私: 『・・・・・』
監督: 『いずれあのフォームと決別する時がくるでしょう。それならば今のうちに基本に立ち帰り、根本の部分でもう一度原点に戻ったほうがいいと思ってます。』
監督: 『実際、あの投法ではゲンジは肘が下がり気味。足の送りに気がとられているのか、肝心の腕の振りが思わしくありません。』
私: 『肘の件は私も見過ごしていました・・ そうでしたか・・』
監督: 『完封勝ちは確かに、結果だけを捉えれば合格かもしれませんが、今からこじんまりと収めてほしくありません。』
監督: 『それとゲンジ本人の【気持ち】の部分です。』
私: 『ピッチャーとしての気質の部分ですか?』
監督: 『そうです。私がゲンジをピッチャー練習から外したのは、例の投法の事もありますが、一番は【気持ちとやる気】の部分です。』
監督: 『敢えて今日先発させたのは、その気持ちの部分をゲンジがどう表に出すか? それを見たかったからです。私に対する反骨心を見せてほしかった。でも今日は見られませんでした。』
監督: 『確かにゲンジも投げ方の事で、自分なりに想うところがあったでしょう。失礼ながらドラ夫さんの顔色を伺う面もあったかもしれない。 でもそれなら自分流の主張を通してほしかった。今日の初回も淡々とした様子で投げてました。気迫がまるで伝わってこない。意地があるのなら、私の言いつけを無視してでも、すり足で投げても良かったかもしれない。』
私: 『フォームについてはゲンジなりの拘りがあったのは事実です。ただ監督の意向との相違で色々と悩んでいたのかもしれません。』
監督: 『私がもっと明確に、「すり足は保留しよう。」と言ってあげたほうが良かったかもしれません。ただ完封した投げ方ですので、私もゲンジやドラ夫さんにどう説明したらいいのか? という悩みがありました。 私の指示があやふやになり、ゲンジに戸惑いを与えたのは私のミスです。ゲンジには悪い事をしたな という反省はあります。』
監督: 『シーズン当初と違い、今はピッチャーにやる気を見せる子が出てきました。しばらくは彼らを中心に回していきたい。ゲンジがピッチャーに拘る姿勢があるのなら、それを見て奮起してほしい。その時は私もチャンスを与えるつもりです。』
監督の本音を聞く事が出来、色んな意味でスッキリしました。
この後、話はポジション全体についての話題に切り替わる。
そして今後のピッチャーとしての育成計画をどうするのか?
私と監督の話はまだ続いた。
続きは後日
2003年7月
試合終了後、監督のほうから私のところへ話があった。
こちらの予想通り、ゲンジのピッチャーとしての今後についてだった。
良い機会なので、私もそれまで抱いていた考えや構想を話す事に。
だが監督から発せられた言葉は、私にとって厳しいものとなる。
監督: 『ここまで色々とありましたが、ゲンジはしばらくピッチャーから外そうと思います。』
私: 『起用方法は監督がお決めになる事。それには従いますが、何故ピッチャーから外れるのか? 今後に活かしたいので理由を聞かせてもらえますか?』
監督: 『・・・・・』
私: 『私が会得させた【すり足投法】が原因でしょうか?・・』
監督: 『それもありますが、それだけではありません。』
私: 『?』
監督: 『まずフォーム改造についてですが、今をしのぐならあの投げ方でもいいかもしれません。けれど先々の事を考えると、あの投法はゲンジ本人のためにならないような気がします。』
私: 『・・・・・』
監督: 『いずれあのフォームと決別する時がくるでしょう。それならば今のうちに基本に立ち帰り、根本の部分でもう一度原点に戻ったほうがいいと思ってます。』
監督: 『実際、あの投法ではゲンジは肘が下がり気味。足の送りに気がとられているのか、肝心の腕の振りが思わしくありません。』
私: 『肘の件は私も見過ごしていました・・ そうでしたか・・』
監督: 『完封勝ちは確かに、結果だけを捉えれば合格かもしれませんが、今からこじんまりと収めてほしくありません。』
監督: 『それとゲンジ本人の【気持ち】の部分です。』
私: 『ピッチャーとしての気質の部分ですか?』
監督: 『そうです。私がゲンジをピッチャー練習から外したのは、例の投法の事もありますが、一番は【気持ちとやる気】の部分です。』
監督: 『敢えて今日先発させたのは、その気持ちの部分をゲンジがどう表に出すか? それを見たかったからです。私に対する反骨心を見せてほしかった。でも今日は見られませんでした。』
監督: 『確かにゲンジも投げ方の事で、自分なりに想うところがあったでしょう。失礼ながらドラ夫さんの顔色を伺う面もあったかもしれない。 でもそれなら自分流の主張を通してほしかった。今日の初回も淡々とした様子で投げてました。気迫がまるで伝わってこない。意地があるのなら、私の言いつけを無視してでも、すり足で投げても良かったかもしれない。』
私: 『フォームについてはゲンジなりの拘りがあったのは事実です。ただ監督の意向との相違で色々と悩んでいたのかもしれません。』
監督: 『私がもっと明確に、「すり足は保留しよう。」と言ってあげたほうが良かったかもしれません。ただ完封した投げ方ですので、私もゲンジやドラ夫さんにどう説明したらいいのか? という悩みがありました。 私の指示があやふやになり、ゲンジに戸惑いを与えたのは私のミスです。ゲンジには悪い事をしたな という反省はあります。』
監督: 『シーズン当初と違い、今はピッチャーにやる気を見せる子が出てきました。しばらくは彼らを中心に回していきたい。ゲンジがピッチャーに拘る姿勢があるのなら、それを見て奮起してほしい。その時は私もチャンスを与えるつもりです。』
監督の本音を聞く事が出来、色んな意味でスッキリしました。
この後、話はポジション全体についての話題に切り替わる。
そして今後のピッチャーとしての育成計画をどうするのか?
私と監督の話はまだ続いた。
続きは後日