2005年12月15日

15メートルと16メートルの違い

前回の続きです。

2003年4月

第一試合を大敗し、続く第二試合のマウンドに立ったゲンジ。

プレイボール前の投球練習になるはずだが、ゲンジは怪訝そうな顔つき。
そしていつまでも投球練習を開始しない。

球審が早く投げるよう促すが、ゲンジは首を横に振るばかり・・
一体何があったのか? こちらも心配になってしまう。

そこで監督がニコニコ顔でマウンドへ。

「どうした? 何かあったのか?」と監督の声が聞こえる。
ゲンジはなにやらボソボソと不満気な面持ち。
少しの間やり取りが有り、監督が球審のもとへ歩み寄る。

「こちらは5年以下のチーム。プレートの場所を、低学年用の15メートルにしてもらえないだろうか?」 

なるほど。ゲンジはいつもの15メートルではなく、それより1メートル長い、
16メートルの距離に戸惑っていたのだ。

後から聞いた話だが、選手達はプレート距離について、
高学年と低学年では同じだと思っていたらしい。

前週で完投した試合は15メートル。だからゲンジも違和感を感じたのだ。
だがこちらも迂闊だった。この距離について、指導陣もドラ夫も
全くノーチェックだった。

この大会が低学年の大会なら、距離は当然15メートルになる。
だがこの大会は高学年参加の大会。そこへ2チームエントリーしただけの事。
だから5年生以下とはいえ、距離は16メートルで行うのが当然だ。

その辺りの事は承知の上で、監督は距離の変更を要望している。
球審が大会役員と協議。
そこで「相手チームの了解が得られれば、そちらの守備時だけ15メートルで」
という回答だった。 ところが・・・

相手チームの監督はそれを拒否。

優勝候補のチームだけに、低学年相手の試合だから、
この拒否には「大人気ないなぁ!」 とこちらの応援団から声もあがった。

確かに「勝負に辛い」 と言えるかもしれない。
だが相手監督の拒否は、私は納得出来た。
16メートル対策をしていなかった、こちらが悪いのだ。

相手の言い分も理解出来る。規定より短い距離からだと、
逆にやりにくいのだろう。同じ日に別の試合もある訳だから、
この試合だけ例外では、確かにフェアではないかもしれない。


再びマウンドへ行き、ゲンジに説明をする監督。
ゲンジもようやく意味が判ったのか、投球練習を開始した。

ちなみに第一試合で先発したC君は、距離の事は気がつかなかったそうです。
だから不思議にも思わずに、そのまま投げていたとの事。
四球を連発したのも、ここに原因の一つがあったのか?

ゲンジは1メートルの違いを見逃さなかった。
だが逆に、このハンデを知らないほうが良かったのでは? とも思ってしまう。

規定の投球数を投げ終えて、今度こそ試合開始。
練習ではいつもと同じような感覚に見えたが、さて本番では?

続きは後日。