2005年12月08日

捨て試合

前回の続きです。
2003年4月

この年最初の練習試合を、1勝1引き分けでスタートした我がチーム。
翌週、今度は公式戦がありました。

この大会は6年生主体のAチームとアベックエントリー。
当地の生活圏全体の、東半分の地域が集う大会。

我がチームと同じく、2エントリーの所も幾つかある。
大会はブロック制で、3チームの総当り。
1位のみが決勝トーナメントに進出出来る。

試合の前日の土曜日、練習中に大会プログラムが届いた。
組み合わせを見ると、相手の一つはなんとか勝てるかもしれないが、
もう一つの相手は強豪チーム。

5年生以下主体の我がチームでは、ちょっと荷が重い相手となった。
ただ、初めから優勝を目指している訳ではなく、翌年を見越した2エントリー。
結果を気にせず、勉強のつもりで戦いたい所。

この時に監督とコーチで、試合の先発投手を決める相談があった。
私はタマタマ、この日が当番でこの相談の近くにいた。

『勝てそうな試合にどっちを投げさせる?』
とコーチが言う。 『・・・・・』 と監督も悩み顔。

先週の練習試合では、エースのC君は11失点。
一方、控え投手のゲンジは6失点。
この結果だけ見れば、ゲンジのほうが数字は良い。

『C君の速球のほうが、勝てる要素が高いのでは? 逆に強豪チームには、ゲンジの球のほうがタイミングが狂うかも?』
と別のコーチが発言する。

ようするにまだ首脳陣はC君のほうが投手の資質では上。という認識のよう。
これにはこちらも反論はない。私の目から見ても、
総合力では4年生のC君のほうが上回っている。

監督はまだ口を開かない。どちらにするか、まだ悩んでいる様子。

結局この日はどちらを指名するかは行われず、当日発表となった。
いずれにせよ、どちらかの試合でゲンジは先発する事になる。

試合当日。
最初の試合は実力拮抗の相手。うまく戦えば勝利も可能だ。
この試合はC君の先発。ゲンジはショートでの出場。

だが予想に反して、この試合は一方的な展開となる・・
C君にストライクが入らない。四球の連発で得点の連続。
初回に大量7点を奪われる。 打線も湿りがちで、
先週のようなバッティングが影を潜める。

この大会は時間制で、リミットが来るとその時間で打ち切り。
結局最後に1点を返すも、そのまま敗北。
公式戦の初戦を白星で飾る事が出来なかった。

くじ運の都合で、続けて2試合目。今度はゲンジがマウンドに上がる。
だが応援の保護者は諦めムード。
それもそのはず、勝てる希望のあった試合を落とし、
次の相手は優勝候補のチーム。

口の悪い人などは、この試合を『捨て試合』 と表現する人がいた。

ちょっと待て! その強豪相手に投げるのはうちの息子だぞ!
それを捨て試合とは、どういう言い草だ! 
腹の中でそう叫んだが、それを口に出して言えるほど、
この時はこちらも自信がありませんでした。

だがこんな言葉を皆の前で言う人がいるとは、情けない話ではある。
仮に心でそう思っても、口に出す事ではないと思う。
ましてその試合で投げる子供の父親が、目の前にいるなら尚更だ。

こんな時、投手の親というのは辛い立場だな。と改めて実感。
マウンドに向う息子の姿を、正視するのが辛かった。

周囲の喧騒をよそに、試合はプレイボールの時が来ました。
だが怪訝そうな顔でマウンドに立つゲンジ。
一体何が起こったのか?

続きは後日。

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