2005年05月19日

勝負の世界

前回の続きです。

2002年6月
 
とうとう試合出場の機会まで減ってきた息子ゲンジ。
上を追い上げるどころか、下からの追い上げに迫られてきた。
 
打撃の低調は深刻で、前年の入団以来まだヒットが出ていない。
2試合の練習試合で、出番は代打の1打席のみ。
ドラ夫は込み上げる怒りの中でも、なんとか冷静さを維持していた。
 
ここでゲンジに怒りを向けるのは筋ではないと考えた。
問題は今後をどうするか?
前年のように、こちらの主導で個人練習を復活させるか、
それともゲンジ自らの奮起を待つのか?
 
親として、このままでは済ませたくない気持ちが強いが、
妻との考え方の違いや、当のゲンジの気持ちの部分で、
どうしたら最善なのかが見えてこない。
 
そんな感じで今後の方向性を思案していた2002年6月。
 
サッカー日韓ワールドカップで日本中が、いや世界中がサッカー熱で湧いていた頃、
ドラ夫親子もw杯の観戦の機会に恵まれた。
日本の試合は残念ながら抽選でハズレたが、第二希望の試合が運良く当選。
 
サウジアラビア vs アイルランド 場所は横浜国際競技場。
 
試合日は平日だったが、五輪と並ぶ世界的な大会を体験する機会は滅多にない。
学校を休ませて、遠く横浜まで出かけた。
 
自宅から関東の入り口までクルマで行き、そこから電車を乗り継いで横浜へ。
道中、ゲンジと様々な話をする事が出来たが、
少年野球の事は敢えて避けた。野球の事は忘れて、サッカーの事を中心に会話が弾む。

w杯のしくみや予選の事、ドーハの悲劇やジョホールバルでのイラン戦など、
過去の話を詳しく説明してやった。
w杯に出場するのはいかに困難か、代表落ちした中村選手の涙の事など、
「勝負の世界」の厳しさを、それとなく伝える。

「これから観る試合はお祭りではなく、国の威信を賭けた真剣勝負なんだよ」
ゲンジは眼を輝かせて聞き入っている。
 
会場に到着。同時多発テロの影響でスタジアム周辺は厳戒態勢。
加えて、初めて見る多くの外国人にゲンジも目をシロクロ。
 
試合は7万の大観衆の声援の中 始まる。
下馬評どおり、アイルランドの猛攻を必死で耐えるサウジ。
同じアジアのサウジを応援していたドラ夫親子。
 
しかし観衆の8割はアイルランドサポーター。
ゲンジもすっかり試合の中に入り込んでいた。
 
試合はアイルランドの勝利で終わる。
競技場から駅へ歩く時、すっかり興奮したゲンジがご機嫌でアレコレと喋っている。
駅のホームでゲンジが言った。
 
「どんな事でも、練習すれば上手になるかな?」
 
続きは後日。


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